道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#32ときめきを忘れない生き方

道場は、女優の萬田久子さんとテレビ番組がご縁で二十数年来のお付き合いをさせて頂いています。萬田さんのお母様と同年代だったこともあり、お母様とも懇意にさせて頂いたり、七年前に亡くなられたご主人とも、直前までゴルフをご一緒したりと、お友達として公私ともに、いいお付き合いをされていました。

「愛妻家」の章でも書きましたが、二年前に奥様を亡くした道場は、本当に献身的にその闘病を支えて、自宅で奥様を看取りました。派手なことが苦手で恥ずかしがりやの奥様を思って、通夜も告別式も自宅で近親者のみで済ませ、どなたにも公表しませんでした。道場のお付き合いの広さを思うと、それはとても難しいことでしたが、それを決断したのは道場の優しさであり、二人の思い出を大切にしたいと望んだ奥様の意思でもあったように思います。
亡くなられた後も暫くは何方にも伏せ、萬田さんがお店に来て下さったときも、「ママが待っているから、先に失礼するね」と言って、何事も無かったように道場は帰って行きました。
そんな道場も五ヵ月が過ぎた頃から少しずつ元気を取り戻し、前向きな言葉を口にするようになりました。「なぁー北原、人間幾つになっても、ときめきを忘れちゃいけないと思うんだ。店に行く時も新しい献立をたてる時も、料理のことでときめき、ゴルフに行く時も今日はどんなゴルフになるかとワクワクする。用事があるから仕方なく出かけるのでなくて、何か素敵なことに出会うのではないかと、心ときめかす。ときめきを忘れない生き方が人生を楽しくする」これだよなぁ、北原。
私はその言葉を聞いて本当にホッとしながら、「奥様のお加減は如何ですか」といつも声を掛けて下さる萬田さんに、先日来の失礼を詫び、奥様が亡くなられたことを伝えました。そして、道場の口にした「ときめきを忘れない」の一節も。
間もなく萬田さんから素敵なお花が届きました。カードには「ときめきを忘れないで」の言葉。道場は、何で俺の「ときめき」のフレーズが分かったのだろうと、怪訝な顔をしていましたが、それ以来、その言葉は二人の合言葉になりました。

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