道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#28究極のポジティブ思考!

道場の健康を支えているのは、その思い切りの良さと、ポジィティブな思考に由るものだと私は常々思っている。
この二十年間いろいろな事があったが、道場の慌てるところを未だかつて見たことがない。
それはこれまで数え切れないほどの修羅場を経験して来たからかも知れないが、思い煩う前に頭を切り替える訓練が身についているからだろうと思う。
 身近なことで言えば、ゴルフのコンペで雨が降ったとする。「親父さん、昨日はせっかくのコンペなのに雨が降って残念でしたね」と、私が声をかけると、「北原、雨は雨でいいんだよ。誰だって雨は嫌いだ、みんなが憂鬱なときはチャンスなんだよ!チャンス!そう思うと楽しくなる」。
ある日は、「昨日は眠れなくて往生したよ、でも切り替えて、途中で料理のことを考えだしたら途端に楽しくなって、こんどは、眠るのがもったいなくなって、往生した」と。
 二〇一一年の東日本大震災のときも、道場はお得意様との打ち合わせがあり、ろくさん亭に来ていた。突然襲った大きな揺れの中、店の者を落ち着かせて、震源地が分かると頻りに津波の心配を口にしていた。恐らく現地でも津波が襲ってくる前の時間だろう。結局、得意先との打ち合わせは人が揃わないままお開きになったが、道場にはそのとき既にそのあとに起こるいろいろな状況が見えて居たのではないかと思う。電力の制限や、飲食業全般を襲う不況の波。客足を心配する店の者に、「こういうときはこういうときで、仕方がないさ」と言える力強さが道場にはある。
 誰にでも、困難なことや避けがたいことが必ずやってくる。それが無かったことに出来ない以上、受け入れて切り替えるしかないだろうと言うのが、道場を支える考え方だ。

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