道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#25年寄りには年寄りの料理人

銀座のお店には、いろいろな方がお客さまでお見えになりますが、その中で最長老は、元総理の中曽根康弘先生でしょうか。中曽根先生のお誕生日を祝って内輪の方々との宴席だったり、代議士のお宅に出張に出向いて、お料理を作ったりと道場のお料理をとても気に入って下さっているようです。中でも「すっぽんのタピオカ饅頭のお椀」は大のお気に入りで、御代わりを求められたこともありました。
その中曽根先生が「年寄りには年寄りの料理人だねぇー」と仰って道場の料理を褒めて下さったそうです。「それは、自分が歳とって初めて分かることなんだけど、歳がいくと口が大きく開かなくなる。そして大きいものを口に入れると、口の中がいっぱいでよく噛めないし飲み込みづらい。最近では自然に小さめに切る癖がついてしまった」と。おもてなしの原点は「思いやり」だから、食べる人にとってベストじゃなきゃいけないんだ」。筑前煮一つでも大ぶりに切ったほうが見栄えはいいが、見せる料理は得てして思いやりに欠ける。サラダに添えるレタスも冷水につけてパリパリになどと言っているが、パリパリのレタスは口に入れづらいしドレッシングも絡みづらい。レタスは水で洗ったあと、両手の平に挟んで軽く握っておくと纏まりもよくなって、口に運んだときにドレッシングが飛び散るようなことがなくなる。とのこと。ちょっとしたことだが、そんな気遣いのすべてが、中曽根先生には有難いと感じて頂けたのだろう。
そして、そんな心遣いをわかって下さるお客様に出会えたことを、道場もまた、嬉しく感じたのだと思います。

 

中曽根先生のお気に入り

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