道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#24追い詰められたら、役者になる

飲食業に限らず、仕事をしていると色々なトラブルに巻き込まれることがある。
特に相手がお客様だったり、お得意様だったりすると、理不尽と分かっていても謝らないわけにはいかない。道場も幾度となくそんな場面に遭遇し、数々の試練を切り抜けてきた。大抵は店の者の不注意でお客様のお怒りをかうのだが、謝っても謝っても許して貰えない。店主を呼べと云うことになって、道場が出ることになるのだが、客の方も引くに引けなくなっているので、一通りの謝罪では許して貰えない。そんなとき、道場は役者になるのだと言う。一世一代相手の心が晴れるような、とびっきりのお詫びの芝居。相手が切りつけて来たら、思い切り声をあげて切られてやろう。相手が喜びそうな、立派に詫びる芝居。例え土下座しても所詮は芝居の一場面。きょうはいい芝居が出来たと、自分を褒めてやろう。
理屈を考えると、頭など下げられない場面は幾らでもある。だからと言ってそんな事で苦境に立ったり、心を痛めたりするのはつまらないこと。人生には辛いこと大変なことが何度もあるが、何でもかんでもストレートに受け止めることはないのだと道場が教えてくれた。苦しいときは役者になったつもりで、うまく切り抜けるのも大人の知恵である。
ときには嘘を生きてみるのもいい。
そうでもしないとやりきれないことは、人生いくらでもあると。

 

道場には、これまで三回の役者経験がある。
一、「鬼兵犯科帳」天婦羅屋の親父
一.NHK「一心太助」もと忍者の板前
一、「釣りバカ日誌」能登 地元の釣人

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