道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#22ブレイクタイム3 北原、鉄人の辛さを知る!

私がマネージャーになってからは、テレビも含め、料理関係の出張には板前が同行することになっていました。道場曰く、北原を連れて行っても何も役に立つわけではないので、旅費やホテル代の無駄遣いだ!。例え、先方持ちであっても無駄なお金は、もったいない!と言うのが、道場の考え方です。そんなわけで私がお供をすることは余り無かったのですが、テレビのロケで北海道を訪れたおり、一度だけ無理を言って同行させてもらったことがありました。テレビ広島の「ニッポンを釣りたい」という番組で、もとマネージャーだった下原一晃さんが助手として同行、確かタレントさんは西城秀樹さんとぐっさんこと山口智充さんが出演していました。お二人がオホーツクの海に船を出し、釣った魚を道場が料理するという内容だったと思いますが、三泊四日結構ハードなロケだったように思います。私はと言えば、道場の言うように無駄な要員で、これと言ってやることもなく、行く先々で道場に供されるご馳走の数々をご相伴に預かると言う夢のようなお役目。

沖すき 二〇一〇年撮影

ホテルの食事もさることながら、行く先々に知り合いがいて、親父さんにあれもこれも食べて貰おうと待っていてくれるのです。最初は地元の美味しいお寿司屋さん、夜は知り合いの店で美味しい海鮮の数々。何という幸せでしょう!ところが日を追うごとに、そのご馳走が怖くなって来たのです。元来食い意地が張っていて、日々のランチにも、なるたけ美味しいものをと銀座を歩きまわる私が、食欲が湧かないと言うか目の前のご馳走が辛く思えてしまうのです。
このロケの体験で初めて道場の鉄人としての辛さを知ったように思いました。何処に行っても、どんな店に行っても最高のものを出してくれる。料理人にとって道場は神のような存在です。食材も技術も最高なものを提供したいと考えるのは無理からぬこと。道場もそれが分かっているので、皆さんの心づくしを喜んで受けるのです。
最終日は、札幌でゴルフを楽しんだ道場とスタッフたち。私は、飛行機の時間まで初めての自由行動です。お昼になるのが待ち遠しく、ニコニコとラーメン屋に駆け込みました。
粗末な食事が続くことも辛いのですが、ご馳走が続く方がもっと辛いのだと言うことを、この北海道ロケで初めて知りました。

 

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