道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#16チーズと味噌、お気に入りの黄金コンビ

味噌とチーズは本当に相性がいい。道場は和食の料理人でありながらチーズを好んで献立に入れて行く。いまや、店の看板となった「チーズ黄金焼」も、クリームチーズを酒粕と西京味噌に漬けて軽く焼をいれたものだが、どんなお酒にもよく合うと、前菜での一品にお客様の評判もいい。
かつて「料理の鉄人」のチーズ対決でイタリアンのシェフに快勝した「チーズ豪快鍋」も又かつお出汁に白味噌とチーズを入れ、タラバ蟹やハマグリ、ブロッコリー、茄子、トマトなど豪快に土鍋で仕上げた逸品だ。他にも、ジャガイモと小麦粉で車エビを忍ばせたニョッキを作り、クリームチーズと牛乳、白味噌を合わせたソースで食べる「海老ニョッキ・チーズ味噌」や、ちょっとハイカラ「アボカド・トマト、チーズ焼」など、数えきれない。
 一見、日本料理の枠から飛び出してしまうような料理の数々だか、道場が作ると正しく日本料理だと納得してしまう。
 確かに食材としては、チーズもトマトもブロッコリーも伝統的な日本料理には登場しないものばかりだ。道場はかつて「食材に国境はない」と言っていたように、それは一つの食材に過ぎない。先日、フレンチの有名店でお肉の付け合わせに花山椒のフレッシュが添えられていてびっくりしたが、こうした食べ手にとってのサプライズは、料理の奥を感じさせて嬉しいものだ。要は、料理人の中に本流の流れがあるかどうかと言うことだ。道場の体の中に流れる日本料理の血が、すべての食材を和食に昇華してしまうのだと思う。
そんな道場だが、いつも「これでいいのか、これでいいのか」と自問自答し続けている。
「料理は行きつ戻りつ、行き過ぎちゃ駄目なんだよ」。と、絶えず自分の立ち位置を意識して、その少し前を目指していく。せっかちでありながら、緻密で時間を惜しまない。自分の中に見えている着地点に、心ゆくまで抗い続ける。
 道場は、今でも毎月の献立を自分で立てている。予めある程度の流れは考えているものの、調理場に入ると次から次へと形を変えて行く料理。
もっといいものが有るはず、もっといいもが!

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