道場スピリット マネージャー・北原希代子 作
#8恥をかくことを恐れるな

以前、ある中学校の社会科の課題として、「これから社会人になる若者に向けての一言をと言う依頼があり、四人の中学生が道場を訪ねて来たことがある。
若い人には、特に恥をかくことを怖がるなと言いたい。と前置きした上で、『「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」昔からよく言われているが、知らない事は知らないと素直に言った方が好い。僕が修業に出た東京では郷里の山中にはないものがいっぱいあった。一番驚いたのはガスの火だ。地方で七輪の火しか知らなかった自分に取って、マッチ一本で強い火力が得られるガスの炎には本当にびっくりした。活けの魚にも驚かされた、山中では野締めの魚ばかりで活きた魚を扱うのは初めてのこと、俎板の上で暴れる魚に飛び上がってびっくりする自分を見て、周りは大笑いした。そんなとき郷里の山中をも馬鹿にされたようで悔しかったが、笑われるのは一瞬である。卑屈になったり、知ったかぶりをするのはやめたほうが良い。今ならばスマホで検索なのかもしれないが、その場で覚える方がずっと効率的である。それに恥をかいて覚えたことは一生忘れないからだ。』と、道場は中学生たちを前に、自分の経験も含めて分かりやすく話を始めた。
『人間、恥をかくのは誰でも嫌なものだ。二度と恥はかきたくないと思うからこそ、同じ間違いをしたくないと思って頑張る。まして、物心ついて異性を意識するようになると、尚更だ。自分を注意してくれる人間さえ疎ましく、腹立しくさえ思ってしまう。注意する方も結構エネルギーがいるので、親切心がないと注意すらしてくれない。反対に言うと、見込があるから良く成って貰おうと思って注意するのだ。そしてもう一つ、歳を重ねるごとに恥を怖がるようになる。若い時は笑われるだけで済むが歳を追うごとに馬鹿にされてしまうからだ。「一つ笑われて、一つ覚える。賢くなるチャンスを無駄にするな」』
道場の言葉のように、笑って貰えるうちに大いに賢くなろう。

 

その時の想いを字にしてみる

これまでの記事
↑トップへ戻る