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まずは北海道産のじゃがいもをホクホクに蒸し上げます。

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そして「おい、山本電気もってこい、山本電気!」

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「山本電気」とはフードプロセッサーのこと。開発に協力した製品で、実際にいろいろな要望を出して出来上がった優れもの。この過酷な厨房では本当に良く登場し、活躍してます。
今日はじゃがいもと小麦粉、それに塩を少々入れて一気にニョッキの生地を作ります。

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数十秒で出来上がった生地の固さをチェック。

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そして、ひとつ丸めて茹でて、弾力をチェック。

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実際に食べてみて、歯ごたえや味もチェック。なんだか今日は慎重に試してます。後で聞いたら、この料理、今日初めて作ったのだそうです。お店の毎月の献立を作る時もそうですが、思いつくとその場その場でどんどん試作します。それで「あ、これはダメだ」と失敗することもあるんですが、2、3日すると試行錯誤が積み重なって完成度の高い料理になっている。この厨房はお客さんに料理を作る場所ですが、心のままに料理が進化する場所でもあるんですね。
よく料理の研究とか勉強とかという言葉を耳にしますが、ここではそういった言葉が似合わない気がします。もっとごく自然に、例えば子供が夏になれば川に飛び込み、冬になれば雪の上を駆け回るように「楽しいこと」を楽しんでいるように見えます。
もちろんこれは、長い時間をかけて日本料理の基礎や懐石の心や作法を学んできたからこそ成せる技であることは言うまでもありません。
「伝統は守るだけじゃ死んじゃうんだよ。」と。その伝統のその突端にあるのはまさしく純粋な「こどもごころ」。まさに「こころのまま」に生き、料理を楽しんできた道場ならではのスタイルを感じます。

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さっきの生地にさらに小麦を足します。今度は慎重に、慎重に調整しながら。

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生地が決まったら、左手で「にゅっ」と絞り出しながら右手のスプーンですくいとり、一口大の丸い団子状に分けていきます。
日本料理では「薯蕷蒸し(じょうようむし)」という芋を食材にかけて蒸すという技法が昔からあります。今回のニョッキはこれがヒントだと話してくれました。でも結果的に、新しい薯蕷蒸しとか変わった薯蕷蒸しができるのではなく、「和風ニョッキ」というとても飛躍的な遊び心がたっぷり詰まった料理になってしまうのを見ると、80才にして豊かで瞬発力のあるやんちゃな遊びごころに驚かされます。
このやんちゃぶりは幼い頃から現在に至るまで、そのパワーは衰えることなく、また老いることなくたくさんのエピソードを生み出していますが、このあたりはまた後日。

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「車海老出して!」すると料理長は活き車海老を2尾、手際よく皮を剥いてスタンバイ。

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それを1センチぐらいに切るように料理長に指示、ニョッキの生地に詰め込むことにしました。

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生の海老を生地で包んでいるところ。

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これがニョッキ?いわゆるイタリアンのニョッキとは違うんですが、中に海老が入っているところといい、ちょっと大きめでまんまるいところなど、愛嬌があってこれもまた道場流のセンスが伺えます。

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丁寧に鍋に落として茹でていきます。

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器は・・・今回は宮永料理長が提案した薄い土鍋風の器を手に取りました。

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ニョッキを仕掛けたら今度はソースです。またあのフードプロセッサーに今度はクリームチーズ、西京味噌、そして牛乳をいれてスイッチON。

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程よく混ざったソースに生クリームを足して、火にかけます。

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ニョッキもいい具合。

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ゆであがったニョッキにあったかいチーズ味噌のソースをかけます。優しく暖かいムードの白い湯気。
今回のニョッキは客に人気のチーズ味噌仕立てになっています。ソースの色は白。ニョッキも蒸したジャガイモと小麦粉を合わせた生地で生のまま活き車海老を包み茹であげたものなので、こちらも白。そして器も比較的白に近い土鍋風の優しい風合いの器となりました。
この微妙に色合いが違う白を巧みに組み合わせる繊細な技も実は道場らしい演出のひとつだと思います。
初回の「雲丹蟹蕪蒸し」でも皿の白、蕪の白、そして胴に巻いた桂剥きの透き通った白で世界を創りそこに鮮やかで目出たい雲丹と蟹を盛り、引き立てるといった繊細な雅を見せてくれました。
夏にはチーズ味噌出汁の冷やしうどんを作ってくれたことがあるのですが、これも器の白、うどんの白、チーズ出汁の白、そして葱の白と優しさが幾重にも折り重なるような素敵な白の世界でした。
そんなことを考えていたら、山中温泉で姉の花枝さんにお話を伺った時に「ろくちゃんは雪が大好きなのよ」と話してくれたのを思い出しました。道場がチーズを使いこなすのはもしかしたら、味や使い勝手だけでなく、子供の頃、楽しい遊びの中で心に刻んだ大好きな「白」が、今なお、やんちゃな「遊び」に顔を出しているのかも知れないと思いました。

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刻んだパセリを振って出来上がりです。

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撮影後に自ら試食。「これはうまい、うまい」と連発していました。でもきっとここはこうしよう、あそこはああしようと手を入れるところがたくさん思い浮かんでいる、そんな顔をしてました。

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