活魚秘伝ダレ
活魚秘伝ダレ
2011年冬[道場旬皿]もてなす心に触れる料理
道場流和ソースの
美しい天ぷら
活魚秘伝ダレ
海老 穴子 くえ 茄子 ズッキーニ
伝統の知恵と技と自由な思いつきが生み出す
新しい出逢いの揚げ物料理


活魚秘伝ダレ01
今回は揚げ物です。材料は南瓜、茄子、ズッキーニ。魚は活きの良い穴子と旬のクエとなりました。
活魚秘伝ダレ02
南瓜はなぜかイチョウの型抜きで。
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茄子やズッキーニも一口大の食べ易い大きさに包丁が入ります。
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活海老は尾の先を落として、背を割ってさらに長さの半分に。
活魚秘伝ダレ05
穴子はつやつやとしていかにも活きが良さそう。見るからに美味しそうです。
活魚秘伝ダレ06
クエと一緒に、こちらも食べ易い大きさに切りそろえられました。
ここまで、いつものように次から次へ、スムーズに準備が進みます。
活魚秘伝ダレ07
すると料理を盛る器を選び、「秘伝ダレ・・・盛りつけるのは・・・三角だして」と言うと、料理長がすぐさま、「はい。」と返事。すぐに若い衆に向かって「ほら、三角天紙出して!」と阿吽の呼吸の連携です。
器の上に三角天紙が置かれ、いつものように完成した料理が盛りつけられた様をイメージしているようです。
活魚秘伝ダレ08
すると、今度はおもむろにもみじの葉を取り出し、いいところを選んで手でちぎり始めました。料理の彩りに添えるならいつもはほとんど最後に登場することが多いのですが。と思っているうちに、もみじを手にくるっとターンして、すたすたと揚げ場に。揚げ油にもみじを放り込んで素揚げにしました。
活魚秘伝ダレ09
料理のイメージができたところで、今回はもみじの葉はそのままでなく素揚げにしようと思いついたんですね。その軽快な思いつきは一体どこから来るのでしょう。実際素揚げにされたもみじは、少し透き通り、つややかになり、そしてたくさんいろんなことを経験してきた大人の雰囲気を感じる、品のよいもみじになったように見えました。
活魚秘伝ダレ10
そうこうしていると、南瓜も素揚げして、次にいよいよ衣をつけて材料を揚げていきます。
活魚秘伝ダレ11
この厨房で揚げ物を作る時、気になるのはこの衣です。これまで撮影をしてきた中でも実にいろいろな衣が登場してきました。たとえば、素揚げにする。小麦粉や片栗粉をつける。そば粉や米粉をつける。小麦粉を水で溶く。小麦粉と片栗粉を合わせて水で溶く。炭酸水など水以外のもので溶く。おかきなど歯触りのあるものを混ぜてみる・・・
どんな手法でいくのかは全く自由な発想でその時々に自在に「思いついて」いく、といった印象です。もちろんこれ以外の新作の「思いつき衣」にお目にかかれることもあります。厨房の若い衆は大変ですね。
ちなみに、この日はろくさん亭や懐食みちばで「スーピー」と呼ばれているサクッと揚がる衣。片栗粉と小麦粉を合わせて焼酎で溶いたものにベーキングパウダーとオイルを少し入れたものです。なんでスーピーなのか。なぜ焼酎なのか。どうして焼酎を思いついたか、といったあたりはまたの機会に。
活魚秘伝ダレ12
材料がいい感じに揚がりました。
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そしてこれが、道場流秘伝ダレ。手前が長年使ってるオリジナル。奥がオイスターソース入り。
「料理は無尽蔵だと思うんだよね」と良く話してくれます。本気でその時、その食材で、その客をもてなす料理を作ろうとしているから「無尽蔵」になってしまうんですよね。で、その無尽蔵を支える力は何ですか?と聞いたことがあるのですが、「思いつきだよ。」といとも簡単に。「でも、日本料理も奥が深い、伝統も知恵もしっかり身に付けなきゃだめだ。それがあって思いつく。思いつきの料理っていってもけっこう大変な努力がいるんだよ。」と。なるほど。食材の選択、料理のイメージ、衣やタレ。思いつきまくりだ。
活魚秘伝ダレ14
しっかり味見をして、今回はオイスターソース入りの秘伝ダレでいくことにしました。ソースと言えば西洋料理。日本料理といえば、醤油や酢とそれらをベースにした天つゆ、そばつゆなどのだしが一般的です。西洋料理はソースで味をつける。日本料理は食材の味を引き出す、といった考え方の現れでしょうか。ではこの秘伝ダレは??「これも鉄人の時に思いついたんだ。天ぷらを天つゆでっていうのが普通だけど、タレを塗ったらさくっとしてるし仕事も速いしこれが結構美味しい。」活魚の天ぷらの良さを引き出し美味しくする、和の道場流オリジナルソースを思いついてたってことですね。実際、忙しいお店ではこの「速さ」がお客様に満足をしていただくためにとても威力を発揮します。
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サクッと揚がったら、ささっと秘伝ダレを刷毛でひと塗り。
活魚秘伝ダレ15
三角天紙の上に丁寧に丁寧に、まるで彫刻かなにかを作っているかのような目で盛りつけていきます。
活魚秘伝ダレ15
素揚げのもみじもそっとそっと。秘伝ダレの艶ともみじの艶が響き合って実にきれいです。そのままのもみじだときっとこうした一体感は出ないんでしょうね。長さを半分にした海老の身の大きさも、中央に置いた時に他の食材を圧倒しすぎず、でも華やかさを象徴するちょうど良い大きさを見抜いていたんだなあとこの時気付きました。
活魚秘伝ダレ15
ところで、「秘伝ダレってどう作るんですか?」って聞いてみました。そしたら「あ、あとで教えてあげる」。
なるほど、ここでは「秘伝=秘めて伝える技」じゃなくて「秘伝=ちょっといい思いつき」って感じなんでしょう。そうそう、ここではアイデアは無尽蔵でした。
みなさんも「道場秘伝ダレ」作ってみて、美味しい使い方のアイデアが浮かんだら、ぜひ教えてくださいね。
ちなみに中身は
醤油、みりん、ごま油、白みそ、豆板醤、生姜汁、おろしにんにく、砂糖、塩、だそうです。
配合はお好みでどうぞ。
先ほども登場しましたが、オイスターソースなんかを入れるのも良いのではと宮永料理長が言ってました。
活魚秘伝ダレ15


公開まで今しばらくお待ちください。お楽しみに。
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